IBって何?International Baccalaureate(インターナショナルバカロレア)について知っておくべきこと

こんにちは、カモです。

グローバルな人材教育を推し進めるカリキュラムに、International Baccalaureate、通称IB、というものがあります。世界中のインターナショナルスクールで多く取り扱われているカリキュラムですが、日本でも文部科学省がIBを広めようと様々な取り組みを行なっています。

今回は、このIBが一体どのようなカリキュラムであるかを説明していきます。

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IBって何?

IBとは、ジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラムです。

IBと一概に言っても、4つの異なるプログラムが存在します。

  1. プライマリー・イヤーズ・プログラム
  2. ミドル・イヤーズ・プログラム
  3. ディプロマ・プログラム
  4. キャリア関連プログラム

1つ目のプライマリー・イヤーズ・プログラムは、3〜12歳を対象として、精神と身体の両方を発達させることを重視したプログラムです。

2つ目のミドル・イヤーズ・プログラムは、11〜16歳を対象として、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラムです。

3つ目のディプロマ・プログラムは、16〜19歳を対象としたプログラムです。所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能です。

4つ目のキャリア関連プログラムは、16〜19歳を対象とし、生涯のキャリア形成に役立つスキルの習得を重視した、キャリア教育・職業教育に関連したプログラムです。

(以上文部科学省より一部引用)

一般的に、IBというと3つ目のディプロマ・プログラムをさすことが多いです。上記の4つのプログラムの中で、一番最初に提供されたのもこのプログラムです。自分も、高校最後の2年間でこのディプロマ・プログラムを取っていました。

ディプロマ・プログラムとは?

では、このディプロマ・プログラムについて詳しく説明していきます。

ディプロマ・プログラムを履修し国際バカロレア資格を取得するには、いくつかの必要条件を満たす必要があります。

  • IBコースを6つ履修する
  • 履修する6つのコースのうち、3つ以上がハイヤーレベル(HL)である
  • Theory of Knowledge(TOK)を学ぶ
  • Extended Essay(EE)を書く
  • Creativity, Action, Service(CAS)の課外活動を実施する

おおまかな条件は以上です。これに加えて、選ぶ6つのコースやディプロマ・プログラムの最終試験で収める成績に関する条件もいくつかありますが、それは別の記事に書きます。

ディプロマ・プログラムに独特なのが、普段の学校での勉強外での活動が必要となることです。例えば、EEでは生徒が選んだ科目の範囲内でオリジナルの論文を書きます。CASでは、ボランティアや運動など学外の活動を行います。こうすることで、多方面に渡る教育を実施しています。

もちろん学業の方でも評価は高いです。アメリカで主流のAPカリキュラムと比べても、ディプロマ・プログラムは難しいと言われることもあるほどです。もちろん数学などでは日本の高校には負けますが。

ディプロマ・プログラムにおける成績

IBコースでは、成績が1〜7の7段階評価となります(7が一番良い)。そして、ディプロマ・プログラムの成績は、6つのIBコースでの成績の合計に、TOKとEEの成績をもとに加算される3ポイントのエクストラポイントを足したものとなります。したがって、最高成績は45ポイントとなります。一般的には、ディプロマ・プログラムで40ポイント以上収めることができれば好成績と言えるでしょう。

1〜7の成績は、70%ほどは最終試験の成績によって決まります。残りは、ディプロマ・プログラムを履修する2年間の間で提出するエッセイや論文の成績が反映されます。つまり、ディプロマ・プログラムで好成績を収めるには、最終試験の勉強はもちろん、普段の勉強にも力を入れないといけないということです。これに起因してか、ディプロマ・プログラムを履修する生徒は、普段から毎日数時間勉強することが多いです。そのため、時間管理能力やタスク管理能力も伸びます。

IBと大学進学

2018年現在の日本では、大学進学にあたり一般の入試かAO入試を受ける生徒が多いと思います。もし海外から日本の大学に進学するのであれば帰国入試という手段もあります。AO入試と帰国入試の出願資格の一つにディプロマ・プログラムがあります。したがって、そのような形で日本の大学に進学したい、そしてディプロマ・プログラムを経験したいという生徒は、ディプロマ・プログラムを取るのはありかなと思います。

しかし、ディプロマ・プログラムが最も力を発揮するのはヨーロッパ(イギリスを含む)に大学進学する場合でしょう。ヨーロッパでは、ディプロマ・プログラムに対する評価が高く、ディプロマ・プログラムの成績、エッセイ、そして学校の成績表の提出で入学が認められる大学もあります。

最近ではアメリカでもディプロマ・プログラムは評価されていますが、ヨーロッパほどではありません。

日本におけるIB

日本では、「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」(平成25年6月閣議決定)に基づき、国内における国際バカロレア認定校等(ディプロマプログラム)を2018年までに200校に大幅に増加させることを目標としています。(文部科学省より一部引用)

まとめ

今回はIB、特にディプロマ・プログラムについて書いてきました。

この記事が皆さんのお役に立てたら幸いです。